広告費が効かない・計測が信用できない

銀行ローン事業 新規顧客獲得 — 年間30億円の統合デジタル戦略

広告指標を契約数に一本化し、商品部門と接続して運用

業種・関与国内大手銀行 · 金融/銀行 · MARKETING · STRATEGY

年間運用予算

30億円

審査後有効契約率

+01234567890123456789%

デジタル領域統括

1.5年

課題

銀行の個人向けローンは規制業種であるがゆえに、広告経由の申込者であっても審査通過率が低い構造を抱えている。広告運用側は「申込数」を KPI に置くため申込は増えるが、商品側から見ると与信の通らないリードばかりが積み上がり、実契約ベースの CPA が目標を下回る状態が続いていた。デジタル領域の予算規模は年間 30 億円に達しており、質への転換が事業収益に直結する規模感だった。

広告経由の申込数は十分だったが、審査通過率が低く、実際の契約ベースでの CPA が目標に届かない状況。商品側と広告側で KPI が分断されていた。

  • 広告側 KPI(申込数・クリック CPA)と商品側 KPI(審査通過率・実契約数)が分断され、同じ数字で会話できない
  • 審査通過しない層まで含めた「申込最大化」に最適化が進み、結果として実契約 CPA は悪化するスパイラル
  • クリエイティブ・LP・フォーム設問が訴求ベースで設計され、与信スクリーニングの観点が組み込まれていない
  • 年間 30 億円規模の予算を 1.5 年にわたりデジタル統括する立場で、短期の数字と中長期の仕組み化を両立する必要
「『申込数』ではなく『通った契約数』を増やしたい」

アプローチ

申込フォーム前のスクリーニング設問とクリエイティブ・訴求軸を再設計し、審査を通りやすい顧客層に誘導。広告指標を「契約数」に一本化し、商品部門と広告運用を同一 KPI で接続。

  1. 01

    Phase 1

    KPI 再設計と商品部門接続

    広告運用指標を「申込数」から「審査通過後の実契約数」に切り替え、商品部門と広告側が同一 KPI を追う体制に再編。審査データを広告側に連携する仕組みを整備。

  2. 02

    Phase 2

    スクリーニング設問とクリエイティブ刷新

    申込フォーム前段に与信スクリーニング的な設問を挿入し、通過可能性の高い層を自然に絞り込む設計に変更。クリエイティブ・LP 訴求も通りやすい顧客層のインサイトに合わせて全面刷新。

  3. 03

    Phase 3

    媒体横断のチャネル最適化

    検索・ディスプレイ・SNS のそれぞれから流入する顧客の審査通過率差異を分析し、通過率が高いチャネルに予算シフト。媒体別のクリエイティブ・ターゲティングも与信親和度で再配分。

  4. 04

    Phase 4

    ダッシュボードと運用ガバナンス

    申込→審査→契約までのファネルを日次ダッシュボードで可視化し、広告と商品の定例会議で同じ数字を見て議論する運用を定着。1.5 年にわたり責任者として伴走。

成果

申込数指標から実契約数指標への切り替えを商品部門・与信部門・広告代理店の三者合意まで持ち込み、ファネル可視化ダッシュボードが定例会議の共通議題になった時点で体制が自走状態に移行。1.5 年の支援期間終了時には、後任担当者が同じ KPI 体系・同じ運用リズムで継続できるハンドオーバー資産を残して区切りとした。

  • 01

    審査通過後の有効契約率を +18% 改善。申込ボリュームを維持しながら実契約ベース CPA を目標ラインまで改善

  • 02

    年間 30 億円規模のデジタル予算を 1.5 年にわたり統括し、商品側・与信側・広告側を同一 KPI で運用する体制を確立

  • 03

    「申込最大化」から「契約最大化」へ KPI を切り替えたことで、広告運用者・代理店・商品部門の関心が初めて揃った

  • 04

    ファネル可視化ダッシュボードは案件終了後も継続運用され、後任担当者への引き継ぎ資産として残った

学び

  • 規制業種では「申込」と「契約」の間に大きな落差があり、広告 KPI を商品 KPI に接続しないと予算が空回りする
  • 与信スクリーニングはクリエイティブ・フォーム設問の側でも設計可能で、必ずしも審査側だけの問題ではない
  • KPI の一本化は組織論でもあり、商品・与信・広告の三者が同じ数字を見る運用を「仕組み」として定着させることが最も効く

応用できる領域

申込→審査→契約のようなファネル段差が大きい業種(銀行ローン・保険・クレジットカード・不動産仲介)全般。特に広告側と商品側の KPI が分断されている組織で、量から質への転換を図る局面で有効。

役割・成果物

デジタル獲得領域の統括ディレクターとして 1.5 年常駐。広告代理店・商品部門・与信部門の三者を束ねる役割で、戦略設計と日次運用の両方に責任を持つ事業側の意思決定者として参画。

  • 01

    申込→審査→契約の一体 KPI 体系定義書と、広告・商品・与信の三部門向けレポーティングフォーマット

  • 02

    与信スクリーニング観点を織り込んだ申込フォーム設問設計とクリエイティブ訴求ガイドライン

  • 03

    媒体別審査通過率を反映した予算配分モデル(検索・ディスプレイ・SNS 横断)

  • 04

    日次ファネル可視化ダッシュボードと、商品・広告合同定例会議の運営ランブック

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